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季節の草花と生き物

立夏の時期の草花と生き物

立夏りっか:新暦5月5日頃

新緑を揺らす爽やかな風は「立夏の目印」。日本中のあちこちで見つかる立夏の目印が他にもたくさんあります。この時期に見ごろを迎える草花や、出会いと活動の季節を迎える生き物たちをご紹介します。
二十四節気:立夏について

季節の草花

杜若かきつばた

5月5日頃に咲き始め、月末頃まで美しい姿が見られます。昔、紫の花の汁を染物の染料として使っていました。「茄子花」とも呼ばれ墨汁替わりにも使えるほど濃い色が出るので「書き付け花」から「かきつばた」へと変化したと言われています。
花言葉:幸運、雄弁、妖艶 など

カキツバタ

芍薬しゃくやく

美しい女性を讃える「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言葉があります。この花を賛美する気持ちは万国共通のようで、世界中には現在8000種を超える品種が存在します。和芍薬と呼ばれる種は、江戸時代に品種改良が盛んに行なわれたものが元となっています。ボタン科の多年草で幾重にも重なる繊細な花びらを持つものが有名ですが、一重咲きのものもあります。
花言葉:恥じらい、はにかみ、内気、清浄 など

シャクヤク

片栗

北海道から九州まで広く分布しています。下を向いてそっと開く可憐な花。ユリ科の多年草で、茎が地面にあらわれるのが5週間ほど、花が咲くのが10日間ほどで、1年の殆どの期間を「球根」として過ごす「春の妖精」です。料理や和菓子作りに欠かせない片栗粉は茎根から精製される希少なものでした。現在はジャガイモなどが主原料ですが、名称はそのまま「片栗粉」となっています。
花言葉:初恋、嫉妬、寂しさに耐える など

カタクリ

皐月さつき

ツツジよりも小ぶりな花を咲かせるツツジ科の植物で、桜の散り際に咲き始めるツツジより一歩遅れて5月の声を聞く頃に咲き始めます。5月に見ごろを迎える「5月のツツジ=サツキツヅジ」が縮まって皐月と呼ばれるようになりました。葉もツツジよりも小さく艶やかで、美しく密集して生えるため、古くから生垣としても重宝されてきました。
花言葉:節制、節約 など

皐月

季節の生き物・鳥

アマガエルは「アマガエル科」、トノサマガエルは「アカガエル科」、モリアオガエルも声が美しいと古来より愛されたカジカガエルも「アオガエル科」。ヒキガエル科と思ってしまいがちなウシガエルはアメリカ原産の特定外来種で、1918年に食用として18匹がやってきて爆発的に増えてしまったものです。生きたままの移動や飼育は禁止されていますのでご注意を。

かえる

蚯蚓みみず

アリストテレスが「大地の腸」と名付けたミミズは、土を食べては出し、空気の通り道を作り、根が育ちやすいフカフカでしっとりとした豊かな土壌にしてくれます。大雨が降ると自分で作った空気の通り道が水浸しになり、苦しくて地面に這い出してきます。街路樹近くの道路や公園のコンクリート部でミミズが苦しそうにしているのを見かけたら、そっと土のところに戻してあげてください。嗅覚が非常に良いので、コンクリートにたまったわずかな土に懸命に潜ろうとして疲れ果ててしまうのです。

頬白ほおじろ

雀とほぼ同じ大きさで、日本各地で見られます。明るい開けた場所を好む雑食性の鳥なので、古来から人の傍でも暮らしてきました。オスは口ばしから頬にかけて黒い模様があり、ちょうど頬の位置が白く目立つので「ホオジロ」と呼ばれるようになりました。メスはウズラのような茶のグラデーションです。春に恋の季節を迎え、オスが美しい声で鳴きます。昔の人には「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)「源平つつじ白つつじ」などと聞こえたそうです。

ほおじろ

関連項目

参考文献