日本には四季という、視点の変化をさせてくれる良い機会があります。
夏に見た時と、秋に見た時では、同じ場所でも雰囲気や粧いがどこか違うと感じる事がたくさんあります。その瞬間を見つけ、秋だけに見せる哀愁の表情を切り取れると作品の幅も広がりますね。
足元を覗いてみる
普段は目に止めないような場所にこそ、小さな秋はあります。
例えば、カサコソしている足元です。他の季節よりも多くの彩りを見つけられるでしょう。
手前の被写体にピントを合わせて、開放に近い状態で撮影すると、それ以外の余分なものがボケて印象的な写真になります。
また、逆光で撮影すると朝露や夜露が輝いてボケ感がより美しく出ます。
秋独特の光を探して
光とは大きく2つあります。自然の光(太陽や月)、それから人がつくる照明の光。
どちらも、夏の後に大きく変化をする時期なので、それを見つけて、直接写すのではなく光に影響された部分を写します。そうすると、コントラストの強い夏の光よりも、すこし落ち着いた色っぽい写真が撮れます。
ホワイトバランスを少~し変えてみる
ほんの少しの色味の変化で、ぐっと秋が深まった写真になったり、また浅い時期の爽やかな秋晴れの写真になったりします。
太陽の光に合わせるのであれば約5600Kです。
そこで少し青みを載せるため3400Kにしてみます。
今度は夕日の様に赤い光を演出するために7500Kにしてみましょう。
被写体の雰囲気に合わせて光の温度を変えるだけで、
自分なりの秋を演出できます。不思議ですね。
納得いくまで色んなアングルから撮りましょう!
短い秋だから、気に入った景色は一期一会。
どこか惹かれるものに出会ったら、一回なんとなく撮って終わるのではなく、色んなアングルや露出で徹底的に納得いくまで撮りましょう。
まずは縦位置写真。
一枚撮影しただけで止めずに、もっと空間を上手に使える位置を探しながら何枚も撮影すると横位置写真の方が映り込みの照明の含み方などシンプルにまとまりバランスがよい事がわかります。
さあ、自分だけの秋を探しに行こう!
ほんの少し家から歩いて、いつもとは違う視点を探してみる。
いつもは行かない街に行って、普段は気づかないところに神経を尖らせる。
なかなか出来る事ではないかもしれません、でもきっと今の時期ならできるはずです。
秋はゆっくりとした変化が訪れる季節です。
音、色、形、朽ちた匂い、感触、光。
目だけではなく、五感すべてを使って自分だけの秋を探してみてくださいね。
使用機材:カメラOLYMPUS OM-D E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
フィルター:ビンテージフィルター
撮影場所:長野県須坂市仁礼町、新潟県妙高市、岐阜県大野郡白川村